Cookie とは
Cookie は、Web サイトがブラウザに預けておく小さなデータです。ログインの状態やカートの中身を覚えるのに使われる一方、サイトをまたいだ追跡にも使えるため、ブラウザや法律で扱いが決められています。
この記事でわかること
- Cookie が何のためにあるのかを説明できる
- ファーストパーティとサードパーティ、セッションと持続的な Cookie の違いがわかる
- 主なブラウザでの Cookie の扱いと、同意やプライバシーの考え方を知る
目次
Cookie(クッキー)は、Web サイトがブラウザに預けておく小さなデータです。Web のページを読み込むときの通信の決まり(HTTP)は、前のやりとりを覚えていません。そこでサイトは、ブラウザに小さな札を預けておき、次に来たときにその札を見せてもらうことで、「さっきの人の続き」だとわかるようにしています。
Cookie は、ログインやカートのように便利なしくみを支える一方、サイトをまたいで人の行動を追うことにも使えます。そのため、ブラウザは扱いを細かく決め、国によっては法律でも使い方が決められています。同意のバナーやプライバシーポリシー、アクセス解析の数字を理解するためにも、しくみを知っておくと役に立ちます。
- ページを開くはじめてサイトを訪れる
- Cookie を渡すサーバーが Set-Cookie で送る
- ブラウザが保存サイトごとに、期限つきで
- 次から送り返す同じサイトを開くたびに
- 続きとして扱うログインやカートが続く
Cookie はどう動くのか
Cookie のやりとりは、次の順に進みます。
- ブラウザがサイトのページを開く
- サーバーが、答えの中の
Set-Cookieという見出し(ヘッダー)で、「名前と値」の組を渡す。たとえば言語の設定ならlang=ja - ブラウザが、その Cookie をサイトごとに保存する
- 次に同じサイトへ通信するとき、ブラウザが
Cookieというヘッダーで、保存した値を自動で送り返す
ページの JavaScript から Cookie を作ることもできます。Cookie は 1 つあたり 4KB ほどまでと小さく、たくさんのデータを置くものではありません。
大事なのは、ブラウザは Cookie を、それを預けたサイトにしか送らないことです。あるサイトが、ほかのサイトの Cookie を勝手に読むことはできません。くわしいしくみは MDN の「HTTP Cookie の使用」にまとまっています。
Cookie の属性とは
Cookie には、「名前と値」に加えて、扱い方を決める属性を付けられます。主なものは次のとおりです。
| 属性 | 意味 |
|---|---|
Expires・Max-Age |
いつまで残すか(日時か秒数) |
Domain・Path |
どのドメインやパスへの通信に送るか |
Secure |
暗号化された HTTPS の通信のときだけ送る |
HttpOnly |
ページの JavaScript から読めないようにする |
SameSite |
ほかのサイトから始まった通信にも付けて送るか。Strict(送らない)・Lax(リンクで移ってきたときなどは送る)・None(送る。Secure が必要) |
ログインの状態を覚える Cookie のように大切なものは、盗まれにくくするために HttpOnly と Secure を付け、SameSite で送る範囲を絞るのが基本です。
Cookie は何に使われているのか
Cookie の使い道は、大きく次の 3 つに分けられます。
| 使い道 | 例 |
|---|---|
| ログインや操作の続き | オンライン講座の受講ページで、ページを移るたびにログインし直さなくてよい。教材を買うときに、カートの中身が残る |
| 好みの設定 | 表示の言語、文字の大きさ、画面の明るさ |
| 計測と広告 | アクセス解析で再び来た人を見分ける。広告の効果を測ったり、興味に合わせた広告を出したりする |
1 つ目と 2 つ目は訪問者のため、3 つ目はサイトの運営者や広告の会社のためのもので、プライバシーの面で気を付ける点が多くなります。アクセス解析での使われ方は「アクセス解析とは」で説明しています。
ファーストパーティとサードパーティは何が違うのか
Cookie は、「いま見ているサイトのものかどうか」で 2 つに分けられます。
| 種類 | 置くのは | 例 |
|---|---|---|
| ファーストパーティ Cookie | アドレスバーに出ているサイト | 教室のサイト example.jp を見ているときの、example.jp の Cookie |
| サードパーティ Cookie | ページに埋め込まれた、ほかのサイト | そのページに出ている広告や、埋め込みの部品を配る会社の Cookie |
サードパーティ Cookie は、同じ会社の広告や部品が載っている、たくさんのサイトで同じ値を読めます。そのため、ある人がどのサイトを見て回ったかをつなげることができ、プライバシーの面で問題にされてきました。
分け方の決め手は、Cookie がどのドメインに置かれるかです。ほかの会社が配るタグ(計測のプログラム)を使っていても、そのタグがあなたのサイトのドメインに Cookie を置くなら、それはファーストパーティの Cookie です。
セッション Cookie と持続的な Cookie
Cookie は、残る期間でも分けられます。
- セッション Cookie:
ExpiresもMax-Ageも付いていない Cookie。ブラウザを閉じるなど、そのセッションが終わると消える(ブラウザが前のタブを元に戻す設定だと、残ることもある) - 持続的な Cookie: 期限を付けた Cookie。期限が来るか、利用者が消すまで残る。ログインを「保持する」ときや、次に来たときに設定を覚えておくときに使う
ブラウザはサードパーティ Cookie をどう扱っているのか
サードパーティ Cookie の扱いは、ブラウザによって違います。2026 年 10 月に、各社の公式の資料で確かめた内容は次のとおりです。
| ブラウザ | 扱い |
|---|---|
| Safari | サードパーティ Cookie を、初めからすべてブロックする。さらに、JavaScript で作った Cookie も、そのサイトで操作がないまま 7 日(Safari を使った日で数える)たつと消す |
| Firefox | 「包括的 Cookie 保護」で、Cookie をサイトごとの入れ物に分け、ほかのサイトでの行動とつなげられないようにする。パソコン版では標準の設定で有効 |
| Chrome | サードパーティ Cookie を許可するかブロックするかを、利用者が設定で選ぶ。シークレット モードでは初めからブロックする |
Chrome については、Google が 2024 年 7 月にサードパーティ Cookie を廃止する計画を見直し、2025 年 4 月には、利用者が設定で選ぶいまの形を続け、新しい選択の画面も出さないと発表しています。
ブラウザの扱いは、これからも変わることがあります。サードパーティ Cookie に頼る計測は、ブラウザによっては数えられないと考えておきます。ファーストパーティの Cookie でも Safari のように残る期間が短くなることがあり、同じ人を何日も追えない場合があります。
Cookie を使うサイトは何に気を付けるのか
まずは、何のために、どんな情報を扱っているかを訪問者に伝えることが出発点です。
日本では、2023 年 6 月 16 日に、電気通信事業法の「外部送信規律」が始まりました。タグなどで、訪問者のブラウザから外部へ情報を送らせるときのルールです。対象になるのは、SNS や検索、ニュースサイトのような、電気通信事業を営む事業者のサービスです。総務省は、自社の商品のネット販売や、企業のホームページ、個人のブログは電気通信事業に当たらず、対象にならないと説明しています。対象になる場合は、送られる情報の内容、それを扱う会社などの名前、利用の目的を、知らせるか公表するか、同意を得るか、送信を止められるようにする(オプトアウト)かのいずれかを行います。くわしくは総務省の「外部送信規律」のページで確かめられます。
対象にならないサイトでも、同じことをプライバシーポリシーに書いておくと、訪問者は何が起きているかを知ることができます。
EU では、ePrivacy 指令という決まりで、訪問者の端末(ブラウザなど)に情報を保存したり読み取ったりする前に、目的をわかりやすく伝えて同意を得ることが求められています。ただし、訪問者が求めたサービスを届けるのに欠かせないもの(ログインやカートなど)は例外です。Cookie の同意のバナーをよく見かけるのは、このためです。
運営する側は、次の点を押さえておきます。
- 使っている Cookie と、それぞれの目的を一覧にしておく
- 欠かせない Cookie と、計測や広告の Cookie を分けて考える
- 同意を求めるときは、断る方法もわかりやすく用意する
まとめ
- Cookie は、サイトがブラウザに預ける小さなデータで、ログインやカート、設定の記憶、計測や広告に使われます
- いま見ているサイトの Cookie がファーストパーティ、埋め込まれたほかのサイトの Cookie がサードパーティです
- Safari と Firefox はサードパーティ Cookie を標準で制限し、Chrome は利用者が設定で選びます
- 何のために何を扱っているかを訪問者に伝え、地域ごとのルールを確かめます
mukumo のアクセス解析は Cookie をどう使いますか
mukumo(ムクモ)のアクセス解析は、サイトの設定で「Cookie で訪問者を覚える」を使うとき、訪問者を見分けるために、サイトのドメインに Cookie「_mkm_v」を置きます。サイト自身のドメインの Cookie なので、ファーストパーティの Cookie です。有効期間は最長 13 か月で、何日かかけて問い合わせた人を、最初に来たときの流入元で数えられます。
ブラウザで Global Privacy Control を有効にしている訪問者には、サイトの設定によって、この Cookie を使いません。EU・英国・スイスからの訪問は、サイトの同意のバナーで同意するまで何も送りません。
よくある質問
Cookie を消すとどうなりますか
そのサイトに預けていた記録がなくなるので、ログインし直しになったり、カートや設定が初めの状態に戻ったりします。アクセス解析では、次に来たときに新しい訪問者として数えられます。
Cookie でウイルスに感染することはありますか
Cookie はただの文字のデータで、プログラムとして動くことはありません。気を付けたいのは、ログインの Cookie が盗まれて他人になりすまされることで、そのためにサイトの側で Secure や HttpOnly などの属性を付けて守ります。
Cookie と localStorage は何が違いますか
どちらもブラウザにデータを残すしくみですが、Cookie はサーバーへの通信のたびに自動で送られ、1 つあたり 4KB ほどまでと小さいのが特徴です。localStorage はサーバーへ自動では送られず、もっと多くのデータを置けます。
Cookie の同意のバナーは、どのサイトにも必要ですか
国や地域の法律と、使っている Cookie の目的によって変わります。EU などでは、ログインやカートのように欠かせないもの以外の Cookie を置く前に同意を求めることが法律で決められているため、そうした地域から訪れる人がいるサイトでは確かめておきます。